2013年6月
「神楽坂 口コミ散歩マップ2013」ができました。
神楽坂のまちづくり活動をしている「粋まち」さん。
その粋まちさんが中心となって企画する「神楽坂落語まつり」が、
昨日と7月7日の二回にわたって開催されます。
今年五回目を迎えるそうで、
粋な花街 神楽坂らしいすてきなイベントです。
昨日は「毘沙門寄席」という名の落語会が善国寺の書院で開催され、
大盛況だった模様。
あと、来週7月7日(日)には、四谷区民センターで、
「神楽坂劇場二人会」という落語会が開かれますよ。
ご興味のある方は、WEBでご確認を。 >> 粋まちホームページ
そんな粋なイベントの会場で配られているのが、
「神楽坂 口コミ散歩マップ 2013」。
タウン誌「かぐらむら」でもおなじみのおかめ家ゆうこさんが描く、
猫の神楽坂姉妹が街を案内してくれる、かわいらしいマップです。
こちらでは、「神楽坂 暮らす。」もふくめて、
神楽坂界隈の楽しいお店が50軒近く、掲載されています。
さらに、街で開催される年間行事も掲載されていたりするので、
年間通して持ち歩きたいマップです。
「神楽坂 暮らす。」でも配布しておりますが、
残部僅少ですので、ご希望の方はお早めにどうぞ。
■店主の個人ブログはこちら>> 神楽坂 器 日和。
■店主のつぶやきはこちら>> 神楽坂 暮らす。
(2013年6月30日)
小石原焼について
今日は、民藝陶器として有名な小石原焼(福岡県東峰村)について
お話してみたいと思います。
大分県との県境にほど近い英彦山の麓で
小石原焼の源流と考えられるやきものが始められたのは、17世紀半ば。
朝鮮出兵に参陣した黒田長政が連れてきた陶工・高取八蔵の子孫が
小石原で陶土を見つけ、窯を構えたのがはじまりと言われています。
その後、黒田藩主が伊万里から陶工を呼び、磁器を生産させたこともあったのですが、
17世紀の後期、一時小石原の窯業は途絶えてしまったようです。
でも、18世紀には再興して、すり鉢や甕などの日用の陶器を生産するようになり、
現在の小石原焼に近いものが 焼かれるようになったと考えられています。
この時点をもって、民窯としての小石原焼が成立したと言えるのかもしれません。
芸術性・装飾性を重視した伊万里や鍋島などの絵付磁器とは違い、
小石原のやきものは土ものであり、あくまで日常の器として作られたもの。
ゆえに、加飾も簡素。
「飛びかんな」や「刷毛目」「櫛目」など、素早く大量に加飾できる技法を採用し、
化粧土を掛けた表面を削り落とすことによって独特の美しさを生み出しています。
このような日用品に潜む装飾の美しさこそは、
民芸運動で言うところの「用の美」という表現に集約されるのではないでしょうか。
その後、小石原焼の陶工が幕府の天領である日田の代官に招かれる形で、
大分県側には、小鹿田焼(日田市)という分流ができました。
小鹿田が一子相伝によっていまも10軒あまりの窯元が伝統を守り続ける一方、
小石原は昭和の民藝ブームの時期に、窯元の数が50軒あまりに増加。
マイナー路線の小鹿田とは一線を画し、メジャー路線に舵を切った小石原の課題は、
今後、伝統と現代性を両立させた新しい時代の民藝陶器を
作り出してゆくことなのではないか、と思います。
そういったことを踏まえ、
「神楽坂 暮らす。」では、5年ほど前から、小石原のふたつの窯元に注目してきました。
ひとつめは、伝統を忠実に再現する確かな技術で、
「用の美」を体現する美しい器を制作する民窯、鬼丸豊喜窯。
ふたつめは、伝統の技を現代の食卓にマッチするようにアレンジし、
クリエイター的なスタンスで、モダンな器を制作する鶴見窯。
鬼丸豊喜窯の作品は、すでに店頭でご紹介しており、
鶴見窯の作品は現在お品切れしていますが、秋以降に再入荷する予定です。
どうぞおたのしみに。
■ 鬼丸豊喜窯の商品
(2013年6月7日)
小石原 鬼丸豊喜窯の作品
先月九州に出張した際に、民陶の産地である小石原の窯元を回ってきました。
コイシワラ WHERE???
東日本の方にはあまり聞き覚えのない地名かもしれませんが、
窯元50数軒を数える福岡の陶郷です。
最近はメディアの影響で、小石原焼から派生した小鹿田(おんた)焼の方が、
知名度が高くなっているけれど。
九州の民藝における小石原のポジションは、とても重要だと考えています。
たぶん4~5年ぶりの訪問。
前回と同じく、 作風が好きな鬼丸豊喜窯と鶴見窯を回ってきました。
鶴見窯では、ほしい作品の数が揃わなかったので、今回はオーダーのみで、
9月あたりの入荷を予定しております。
また鬼丸豊喜窯では、数アイテムをその場でセレクトさせてもらって、
そのまま東京に送ってもらいました。
というわけで、 昨日6月1日から、鬼丸豊喜窯の作品を店頭に並べております。
小石原の器の加飾の特徴は、
ろくろを回しながら表面を削っていく「飛びかんな」という技法、
またろくろを回しながら化粧土をストライプ状に塗る「刷毛目」という技法。
手作業で大量に素早く模様を付けたいことから、
18世紀当時、必要に迫られて考え出された技法なのだと思いますが。
濃いチャコールグレイの土と白い化粧土とのコントラストが抜群で、
いま見ると、とてもモダンでかっこいいんですよね。
時代を越えて、グッとくるものがあります。
特に、この鬼丸豊喜窯、 店主が見て回った限りでは、
「飛びかんな」と「刷毛目」が、 数ある窯元の中でもいちばん美しいと思います。
伝統を正確な技術で活かしてゆく職人としての姿勢が潔くて、
数年前にはじめて伺った時から、素晴らしいなあと思っていたのです。
近いうちにホームページでの販売も考えておりますが、
とり急ぎ、神楽坂の店頭で先行販売させていただいております。
使いやすい民藝のうつわですので、ぜひ見に来てくださいね。
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(2013年6月2日)